通勤手当にケジメをつける

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変なタイトルを付けてしまいましたが、少し通勤手当について考えてみたいと思います。

多くの企業様では就業規則・賃金規程に「通勤手当は、公共交通機関の定期代相当額とする」という規定を置いているでしょう。定期代は、1か月の場合もあれば、3か月や6か月のケースもありますよね。

大阪市内で大阪市営地下鉄を通勤に使うケースを考えてみます。
梅田駅ー阿波座駅(私の通勤コースです)
1か月定期代 9320円(2区)

1回当たりの料金はPiTaPa(ピタパ)ですと、10%引きになりますので、1回乗車当たり240円×90%=216円です。往復で432円になります。

1か月定期代で何回往復できるのか計算します。
9320円÷432円=21.57回
即ち22回往復するならば、通勤定期代の方が安い計算です。

土曜日曜祝日がお休みの完全週休2日制の場合、平成26年でチェックしてみますと、
1月21日、2月19日、3月20日、4月21日、5月20日、6月21日、7月22日、8月21日、9月20日、10月22日、11月18日、12月22日が平日です。
ただし、1月12月の年末年始の休日、8月のお盆休暇は入れていません。

どうでしょう?
22日は、実質7月と10月だけです。
もちろん、給与の締め日の関係で所定労働日数は違ってきますが、参考にはしていただけるでしょう。

と言うことは、1か月定期代を支給することは会社にとって損をしている計算です。

3か月定期なら26570円ですので、1か月に直せば8856円、20.5回分ですので21回往復(通勤)すれば3か月定期の方がお得。
同じく6か月定期なら50330円ですので、1か月に直せば8388円、19.4回分ですので20回往復(通勤)すれば6か月定期の方がお得。

世の中の会社全てが完全週休2日制ではありませんが、出張もあり、有給休暇も取得し、アレだコレだ考えると、「通勤定期代相当額を通勤手当の額とする」規定は時代遅れなのかも知れません。

意図は何なのか?
実は、月に何回自転車通勤をすれば定期代よりお得なのかを計算しようとしたのですが、これだと自転車通勤はすればするほど「お得」になってしまいます。

大阪市営地下鉄の場合、通勤定期代の他に「利用額割引きマイスタイル」というのがあり、それだと1か月で8390円です。PiTaPaの審査を通らなければなりませんが、1か月に付き930円だけ1か月通勤定期代よりお得に。ますますややこしい。

出勤日数に合わせて通勤手当を支給しましょうか。



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