台風による休業・営業短縮は、休業手当は不要?

昨日は、大阪市内も台風16号の影響で、暴風と雨。
自宅のある箕面市内では、避難準備指示が出ていました、少し高台の場所ですので、ウチではありません。

先週の金曜日と昨日の火曜日、お客様から案の定ご相談をいただきました。
「月曜日と火曜日、台風の進路次第で、お店を臨時休業しようと思ってるけど…?」
「出勤してもらったけど、昼から雨が強くなりそうなので、早めに帰ってもらおうかと…。」

その後に、「時給、日給の人には、賃金をちゃんと払わないといけないの」と言う質問が付いてきました。パートタイマーさんやアルバイトさんですね。

その前に、

労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。ただし、天災事変等の不可抗力の場合は、使用者の責に帰すべき事由に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はありません。ここでいう不可抗力とは、(1)その原因が事業の外部より発生した事故であること、(2)事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であることの2つの要件を満たすものでなければならないと解されています。

と厚生労働省の見解があります。

では、具体的に、一昨日や昨日の状況は?
確かに、大阪府では大雨洪水暴風波浪の各警報が出ていました。でも、鉄道は、とくに私自身が乗る、阪急も市営地下鉄も運行停止・運休は無し。ご相談いただいたお客様に関係するエリアでも、同じような感じです。

ってことは、出勤・退勤するのに当たっては、今回の台風16号はとくに目立った問題もありませんでしたので、結論としては「休業・営業時間の短縮は、台風による不可抗力とは言えず、休業手当を支払う必要がある」に至り、お客様のご担当者様にもそのように伝えました。

配達・デリバリーをやっている店舗様もあり、安全配慮義務との関係で難しいですが。今回は、その手のお客様からはご相談はありませんでした。

地震の時も同じだと思いますが、BCP(事業継続計画)のようなカチッとした内容でなくとも、「出勤基準、退勤基準」「社内連絡網」程度は社内で作っておいた方が良いと思います。
(個人情報うんぬんであれば、グループウエア例えばサイボウズliveとかを利用するとか、工夫しましょう。)

「台風は自然災害で、あんなに警報が出ていたから臨時休業もやむなし、不可抗力で会社が休業手当を支払う必要はなし」と、思われるかもしれません。が、私鉄や地下鉄・JR在来線がほぼ通常運行している状況では、不可抗力と言い切るには厳しいかなと。

あくまで、今回の台風16号、それもエリア的に阪神地区においては、そういうアドバイスをしました。

とくに時間給、日給で支払う従業員さんとの関係を大事にするなら、シフトで予定されていた時間分は、最悪でも60%の休業手当を支払っていただきたいですね。



※場所・状況によっては、同じ台風16号であっても、休業=不可抗力がありえますので、弊所のお客様に関しては、上記の判断としました。


大阪社労士事務所

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