内部不正の防止のために

1週間ほど前に社会保険労務士の勉強会で、講師を務めましたので、備忘録を兼ねてブログにアップします。テーマは、自主的に決めたのですが、もともとはお客様から「内部不正発生の後の懲戒等処分についての相談」を受けたことです。ここ数ヶ月で、3件ほどありましたので。

まず、事例紹介として、実際に相談のあった内容についてご紹介。
1.違法かつ個人的なキックバックの事例
2.架空経費を計上していた事例
3.架空売り上げを計上していた事例

ちょうど、その勉強会には弁護士さんも出席されていたのですが、たまたま事例として紹介した、この3事例が内部不正の典型例だそうです。

1.は、適法なキックバックではなく、あくまで「ワイロ」のような個人的に便宜を図ってもらうキックバックです。
2.は、別の用語もありますが、ここでは経費を誤魔化していた、その架空経費の個人への入手経路については、書きません。
3.架空売上げは、組織的な内容でなく、個人的に売上げをでっち上げていた事例です。その理由は、最終的には「評価を良くしたかった」と。

実際の防止策ですが、いくつか列記します。大企業でなく、従業員数が百数十名程度までの企業様を想定しています。

  • 起案者、決裁者を別にする。(1業務2名担当にする=メイン担当、サブ担当など。または多能工化。)
    ただし、現実には、現場の拒否感は強いです。なぜでしょうか。自分の居場所がなくなると思っていらっしゃる?
  • 業務・作業の標準化・マニュアル化。
    こちらも、なぜか現場の反対が多いです。「○○は特殊なので、標準化できません」と返ってきますが、もしかして…。手順がおかしければ、すぐにチェックできるように。出産育児休業時の対策としても有効だと思います。
  • 管理職の適正な業務執行。(決済に、責任を持たせる。)
    「部下を信用している」「詳細は担当しか分からない」と言われると、管理職の責任放棄のような気がしますが、これも良く言われます。
  • 適正・公平な人事評価制度の存在。
    なかなか難しいのですが、あるレベルの評価制度は欲しいです。
  • 監査体制、チェック体制の実効化。
    これを書くと嫌がられるのですが、内部監査制度が存在する場合(遠い言い回しですが)その実効化が有効です。会計監査だけでなく、業務監査もしていただきたい!

内部不正発生のメカニズム=不正のトライアングル(動機・機会・正当化)については、グーグル検索してください。


参照資料としては、こちらが無料で、かつ分かりやすいです。
「組織における内部不正防止ガイドライン」
独立行政法人情報処理推進機構
https://www.ipa.go.jp/security/fy24/reports/insider/

こちらからダウンロードできるpdfは、内容的には情報セキュリティに焦点を当てていますが、それ以外でも応用・参考できますので、是非一読されることをお勧めします。


また、同じようなタイミングで相談された、不祥事が公になった場合、内部不正を発表した際のマスコミ対応については、「企業不正 対応」「不祥事 対策」などで書籍を検索してください。窓口の一本化は言うまでもありません。


以前から何度か記事にしていますが、内部不正は、ちょっとした気の緩みから発生しやすいと思います。「前の担当者もやっていたのに、私だけなぜ?」は一番分かりやすいのですが、例えば、お中元お歳暮や接待についての「ギフト・ポリシー」「取引業者との関係についての内部規定」は存在するでしょうか。きっちり、規定化しておく方が間違いありません。「堅いこと言うな」でなく、就業規則にも通常は服務規律や順守事項に規定されていますよ、「贈り物や接待」についての一般的な内容は。
(会社宛に送付されたお中元お歳暮は、問題になることは少ないと思いますが、個人宅に送られたものについての贈答品報告の義務等も規定しておく方が良いかと思います。そこまで堅いこと言うな?)

内部不正は、それが犯罪であった場合、単純に行為者である従業員さんの責任だけでなく、管理する上司・管理職や会社側の責任も問われることがありますので。


大阪社労士事務所

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