それは、労務習慣病です。

経営者・社長であれば、「痛風持ち」の方も少なくないのではないでしょうか。

実は私の周りにも多くの痛風持ちがいます。
尿酸値が7を超えれば言われるのが、こんなところでしょうか。
規則正しい生活
飲み過ぎない(アルコールは、プリン体を生成させる)
食べ過ぎない(腹八分目、バイキングで腹一杯なんて御法度)
適度な運動(せめて週1回は気持ち良い汗を)
適切な体重管理(肥りすぎはアカンようです)

生活習慣病を改善するには、また予防するには、上記のようなことを言われます。完全な実施は難しいのですが。

実は会社で労務トラブルが発生するのも同じようなメカニズムです。
間違った人事労務管理の蓄積が、労務トラブルここでは「労務習慣病」と名付けましょう。
未払い残業代、解雇周辺、パワハラ、「働きたくない病」「怠け病」などが対象です。

「うちの社員なら、この程度で大丈夫。」
「残業代なんて、もらおうなんて100年早い。」
「書面は、意味ないでしょ。」
「今時のヤツらは、ビシッと言わないと。(間違いではありませんが)」
積み重ねが、労務習慣病を招きます。
発症は、予兆のある場合もあれば、急に起こることも。

人事労務管理も生活習慣と同じで、即「労務トラブル=生活習慣病の発症」とはなりません。「労務習慣病」になるには、時間が掛かる場合が多いと思います。

それに悪いことに、カラダであれば最低・年1回の定期健康診断がありますが、中小企業の人事労務には定期健康診断はありません。せいぜい、数年に1度の労働基準監督署や年金事務所の調査くらいでしょうか。根本的な膿出しをすることは少なく、対症療法(指摘された事項のみを是正する)が主になりがちです。

生活習慣病は一度かかってしまうと元の状態にするのは大変ですが、労務習慣病も同じです。人事労務管理を良い状態にしたいのなら、対症療法でなく、根本治療をお勧めします。労務習慣病を完治させることは可能です。

体内にウイルスが侵入すると白血球が防御・攻撃し発熱するのと同じで、人事労務管理も変化させようとすると「発熱」します。

まずは、できるところから始めましょう。
従業員の採用時には、きっちり労働条件の説明を(労働条件通知書の交付・労働契約書の締結)
就業規則は、法改正とともに見直し・変更を
「注意・指導・教育」をお忘れなく
お金の扱いは厳格に
コミュニケーションは重要です

労務習慣病で死ぬことは無いかも知れません。
ただ、従業員が次々入れ替わる、即ち労務習慣病が発病する一歩手前だと言えます。

痛風の発作は、少しの風でも痛いと言います。
高血圧症なら、フラフラする、血管がどうにかなる、そんな予備軍です。
対して労務トラブルの発作は、監督署の調査、内容証明の送付、労働審判など「痛い」のが多くあります。

こんな「健康診断」もあります。
人事労務の健康診断


大阪社労士事務所

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