社員が労働基準監督署に法違反を告発したら、解雇してよい?

大阪社労士事務所は、就業規則等社内規程の整備と、労務アドバイスを通じ、企業の業績向上のお手伝いをしています。

「社員が、会社が残業代などを払っていないことを、労働基準監督署に告発したら、その社員を解雇しても良いですか?」
「就業規則がないのを従業員から責められて、労基署に相談に行くと言うてた。」
「~、それやったら、自分から辞めてくれないかな。」
などのご相談を伺います。

労働基準法には、次のとおり、記載されています。

(監督機関に対する申告)
第104条 事業場に、この法律又はこの法律に基いて発する命令に違反する事実がある場合においては、労働者は、その事実を行政官庁又は労働基準監督官に申告することができる。
2 使用者は、前項の申告をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱をしてはならない。

いわゆる「告発」ですが、労働基準法では「申告」と言います。
(社員・従業員の立場で言うと「申告」という言葉を使わないと、労基署は動いてくれない場合もあります。)

「申告することができる。」とありますので、申告は社員の権利として、労働基準法に書かれています。「この法律~違反する事実がある場合」とありますので、労働基準法違反に関しては、労働基準監督署に告発(申告)しても、そのことによって「解雇その他不利益な取扱」をしてはいけないのです。

労働基準法や労働安全衛生法以外はおおざっぱに、公益通報者保護法で、取扱いが定められています。

「申告」があれば、通常労働基準監督署の労働基準監督官は、調査によって、その事実を確認します。
先日書いた「労働条件自主申告表」による調査とは、かなり違います。

結論は、「申告したことをもって、解雇や懲戒処分はできません。」です。
ご注意ください。

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