退職した従業員から内容証明郵便が送られてきた!

内容証明郵便(内容証明)は、そう受け取るものではないので、送られてくると驚いてしまいます。
クーリングオフや損害賠償の請求、借金返済の督促など、あまりいいイメージがありません。

退職した従業員から内容証明が送られてきた・・・。そんなときはどうすればいいのでしょうか?
内容証明が送られてきても、動揺することはありません。 まずは落ち着いて、どんなことが書いてあるのか、内容をきちんと確認しましょう。

  • 内容証明とは
    内容証明(内容証明郵便)とは、郵便局が、いつ出したのか、どんなことが書いてあったのか、手紙の内容を公的に証明してくれるものです。
    • 郵便法48条
      内容証明の取扱においては、会社(郵政事業株式会社)において、当該郵便物の内容である文章の内容を証明する。

しかし、内容証明は、どんなことを書いた手紙をいつ送ったのかという証明にはなりますが、内容証明自体には、法的な強制力はありません。内容証明の受け取りを拒否することも、受け取ることも自由です。

内容証明郵便を送る理由

  1. 証拠を残すため
    いつ、誰に、どんな内容の手紙を送ったのか、という証拠になります。
  2. 心理的圧迫を与えるため
    あまり受け取ることのない内容証明を送ることで相手にプレッシャーを与えることができます。
  3. 時効の停止効があるため
  • 受け取りを拒否したら?
    法的な強制力はないため、拒否することもできます。しかし、受け取りを拒否しても、法律上は到達したものとして、法的な効果はちゃんと発生します。

内容証明を受け取った場合

まずは、内容を確認する

内容証明を受け取ったら、どんなことが書いてあるのか、その内容をきちんと確認しましょう。書いてあることが事実かどうか、こちらに義務違反がないか、内容どおりに応じなければならないのか。

もし、内容証明に書いてあったとおりに、会社側に義務違反があれば、義務の履行をしましょう。それから、退職した従業員がどういう反応をするのか様子をみます。誠意を持って対応すれば、問題が大きくなることはないでしょう。会社側に非がないのなら、何も慌てることはありませんし、相手の要求に応じる必要もありません。

内容証明の返事

内容証明を受け取っても、返事を出さなければならないものではありません(例外もあるようです)。返事を出すのも出さないのも自由です。

返事を出す場合でも、内容証明の返事は、内容証明によらなくても大丈夫です。返事の方法は、普通郵便、電話、メール、FAXでも問題ありません。慌てて反論すれば、内容によっては相手に有利になることもあるので、返事は慎重に。

もちろん、なんにも返事しないという方法もあります。たとえ、内容証明の中に、「返事をしない場合、主張を認めたものとみなします」とあっても、法的には、返事をしないことで認めたことにならないので大丈夫です。

残業代請求との関係

内容証明は、未払い残業代(サービス残業)との関係で、今後会社・企業に送付が増えることが想像されます。

それは、「時効を停止させたい」からです。(既述)
残業代(割増賃金)の請求には、2年の時効が設けられており、会社が何も対応しない場合には、裁判=訴訟へ持ち込むことが考えられます。

もう一つは、「心理的なプレッシャーを与えたい」からです。(既述)
とくに代理人として弁護士や行政書士の先生の名前が書かれてあれば、多くの場合、構えてしまいます。逆に相手側(従業員側)は、それを狙っていることもあります。

すでに書きましたが、内容を確認し、適切な対応をとることが重要です。弁護士の先生や、社会保険労務士にご相談される方が、労働トラブルを最小限の被害で収めることができるはずです。

その他の対応

  • 退職金
    「未払いの退職金を支払え」
    • 退職金規程がある場合は当然ですが、無い場合でも、過去の退職者に退職金を支払っていましたか。
      その条件に合致している場合は、支払いを当然要求されます。
      条件に合致しないなどの場合は、支払う必要がありません。
      残業代と同じく、次の手段が多いので、この段階での対応が重要です。
  • 貸付金
    「会社に貸していた金銭を返せ」
    • 事業資金や福利厚生の費用を借りた覚えはありませんか。
      借用書がないからと言って、「借りた記憶がない」のとは、意味が違います。
      借りたことがないのなら、相手にする必要がありません。



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