セクハラとは(セクシュアル・ハラスメント)

 セクハラとは、職場などで、「相手の意志に反して不快や不安な状態に追いこむ性的言動」を指します。

 男性が女性に行う言動と捉えられがちですが、女性が男性に行うものもセクハラになります。

 セクハラには対価型のものと環境型のものがあります。
 対価型セクハラとは、職場や学校などにおける立場・同調圧力・階級の上下関係を利用し、下位にある者に対する性的な言動や行為を行う(強要する)ことを言います。
 例えば、酒席での酌の強要、職場で昇進・学校の単位・取引先との売買契約などを人質に取った性行為や愛人契約の強要がこれにあたります。

 環境型セクハラとは、次のような性的な嫌がらせを言います。
職場や学校などで、ヌードカレンダー、水着ポスターなど、人によっては不快感を起こすものの掲示。性的な冗談、容姿、身体などについての会話。
恋愛経験について執拗に尋ねること。慰安旅行での旅館・ホテルなどでの女性への浴衣などの着用の強要。酌の強要。 頻繁に、女性に対して結婚、出産のことを尋ねること。
女性がやっているんだから男性もやるべきという考えの強要。女性は力がないからといって、男性に肉体的な暴力を行うこと。
男性を性風俗のお店にむりやり誘う。

 このようなものが環境型セクハラに該当しますが、一般に対価型の方が問題となることが多いようです。

 セクハラは、その重大性・悪質性・継続性といった侵害行為の態様によって不法行為と判断されうるので、使用者責任(民法第715条)として損害賠償を求められる可能性があります。

 その損害賠償については、精神的損害としての慰謝料は高額化していますし、退職を余儀なくされた場合には、慰謝料だけでなく、退職したことで得られなかった賃金などの経済的逸失利益も損害賠償として請求される可能性があります。

 また、均等法上の規制として、使用者は措置義務を負っています。したがって、具体的に、セクハラ防止方針の明確化・周知、相談・苦情処理体制の整備、迅速・適切な対応を行うことが求められ、これを行っていれば、使用者は免責されると考えられています。

セクハラの具体例

一言でセクハラといっても、体を触る、性的関係を求めるなど直接的なものから、わいせつな話をする、異性関係のうわさを流す、ヌードポスターを貼るなどさまざまなものがあります。あいさつのつもりで肩にふれただけ、というように本人に悪意がなくてもセクハラになることがあります。

セクハラの対象は女性だけではありません。男性も対象です。また、異性間だけでなく同性どうしでもセクハラになるかもしれません。セクハラになるかどうかは、された相手が不快に感じるか、感じないか、です。

以下は、セクハラの具体例を列記しました。

  • 身体へのセクハラ
    体にさわる、性的関係を要求する、肩をもむ、肌が触れるくらい接近する、手を握る、職場での立場を利用して性的関係を強要するといった行為は、相手が不快だと思えばセクハラになります。
  • 言葉によるセクハラ
    「胸大きいね」「結婚しないの?」「スタイルいいね」「イライラしているけど生理?」「彼氏いるの?」など、性的な冗談、からかい、性に関するプライベートなことをコミュニケーションや笑いのネタのつもりで話題にしたものであっても、相手が不快に感じればセクハラになります。
    また、テレビなどで報道されていた話題で、個人的なネタでなくても、卑猥なことや性的な話題をすることも、相手が聞きたくないと思えばそれもセクハラになります。
  • 食事やデートに誘うセクハラ
    親交を深めるためにといって食事やデートに誘うことも要注意です。一度誘いに応じたからといって好意があるとは限りません。上司だから断れなかっただけということもあります。相手が嫌がっているのに食事などに何度も誘うこともセクハラになります。
  • 相手を見下すような態度によるセクハラ
    お酒の席で酌を強要する、「女に仕事の話は無理」と挑戦する前から否定的なことをいう、「仕事ばかりしていないで早く結婚しないと」とか、「子どもを生まないといけないよ」などプライベートなことに触れる、「お姉ちゃん」「オバサン」「ボク」「くそじじぃ」など相手をバカにした呼び方をするなど、相手の人格を否定し、尊敬をしない態度は危険です。
    そんなつもりはない、と言い訳をしても、相手が不快に感じれば、それは立派なセクハラです。
  • 視覚によるセクハラ
    職場に写真やポスターなどの性的な画像の掲示や、胸元のあいた服や短いスカートなど体のラインを強調する服装も要注意です。個人的に楽しむためのもの、おしゃれのつもりでも見た相手が不快に思えばセクハラになります。
  • 男性従業員へのセクハラ
    セクハラは男性も対象です。バカにした呼び方や「それでも男?」「男のくせに」など見下すようなセリフ、恋愛話をあれこれ聞きだすこと、しつこく食事や飲み会に誘うことなど相手が不快に感じればすべてセクハラになります。
  • 性別のイメージによるセクハラ
    お茶くみやコピーとり、電話番は女の子、営業は男の子というように女性だから、男性だからと性別のイメージだけで仕事を決めてしまうこともセクハラになります。

セクハラの無い会社・社会へ

セクハラは、仕事中の職場内だけではありません。
仕事のあとの飲み会や、従業員旅行、出張先、取引先との打ち合わせ、接待中などさまざまな場面でセクハラになる可能性があります。

セクハラになるかどうかは、自分にそのつもりがあるかどうかではなく、相手がどう感じるか、です。
同じ行為でも相手の捉え方によってセクハラになることもならないこともあります。された人が不快に感じれば、それはセクハラです。セクハラは相手が嫌がることをしているという意識不足によりおこります。

こういうことをされればどう感じるのか、行動する前に一歩踏みとどまって相手のことを思いやることが大切です。



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