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アメリカの社会保障制度

アメリカの社会保障制度」は、研究テーマですので、この内容をもとにアメリカの社会保障制度について行動、判断することはおすすめできません。作成時期2008年

アメリカの社会保障制度

アメリカ合衆国は、1935年制定の社会保障法により世界に先駆けて社会保障という言葉を生み出したが、個人主義や地方分権主義の伝統から、制度そのものの成立は遅れがちであった。
個人主義の原理である個人の自由・自己責任(自助)の尊重や地方分権主義の原理である州権尊重が、社会保険のもつ強制や連邦主体の中央管理に頑強に抵抗し、その導入を妨げ成立を遅らせたのである。   

しかし、大恐慌による大量の失業者の発生により、国(連邦政府)レベルの対策を講ぜざるをえなくなり、ルーズベルト民主党政権によるニューディール政策の一環として、社会保障法が制定されることとなった。
同法は、第2次大戦以後の経済発展に伴う社会状況を反映し、思想的には個人主義・地方分権主義の伝統に制約されつつも、数々の改正が加えられ発展を遂げた。
同法を基に、高齢者年金、遺族年金、障害年金等の公的年金制度を中心とする社会保障制度が整備され、1965年にはメディケア及びメディケイドが成立し、高齢者や低所得者に対する医療保障制度が導入された。

公的年金/所得保証制度(老齢・遺族・障害保険)

公務員等、独自の年金制度を有する一部を除き、何らかの稼得活動に従事している者全員に適用されている制度で、連邦政府により直接運営されている。    

退職給付の受給には原則として10年の加入期間が必要とされ、退職給付額は、加入期間の長短とは無関係である。

支給開始年齢は65歳(1960年以降出生の者は67歳)。

財源は、適用対象の稼得者に課せられる賃金支払い税であり、財源調達には当座費用調達方式という賦課方式に近いシステムを採用しているが、この方式は経済情勢の変化や人口高齢化の影響を受けやすい。

メディケア/医療保障制度(健康保険)

メディケアとは、連邦政府による高齢者と身体障害者を対象とした健康保険制度である。

受給資格は次のとおりである。

  • 65歳以上の人
  • 65歳未満でも、身体障害者と認定された人、年齢にかかわりなく慢性腎不全患者

メディケアは個人の医療費に対する基本的な援助を提供するものであるが、医療費の全額がカバーされるわけではなく、また、長期介護の費用のほとんどもカバーされない。

メディケアの運営資金は、雇用者と従業員によって払われる連邦保険料分担法(Federal Insurance Contributions Act)による税の一部や、給料から差し引かれるソーシャル・セキュリティ税の一部、そしてメディケア受給者が毎月払う保険料によって賄われています。

  • メディケアの構成
    メディケアには二つの保険があります。
    • 入院保険
      病院、専門的ケア施設での看護、家庭看護、ホスピスの費用を補助するもの
    • 医療保険
      医師によるサービス、病院で外来患者として受けた医療サービス、その他の医療費を補助するもの

メディケイド/公的医療扶助

メディケイドは低所得者を対象にした連邦・州共同の医療扶助制度である。
各州はそれぞれ独自のメディケイド・プログラムを運営しており、連邦政府(医療保険財政庁:HCFA)が設定した広範なガイドラインの範囲内で、受給資格者やカバーするサービスの範囲をそれぞれ設定している。

メディケイドは、元来、低所得者に対して基本的な医療サービスを提供することを目的として作られた制度であるが、現在では介護サービスに関する公的財源の中心をなしており、特にナーシングホームにおける介護費用のうち公的財源部分のほとんどはメディケイドが負担している。また、このほか、一定の在宅サービスについても給付の対象となるが、その内容は州によって異なっている。 
米国における公的医療制度は、以上のメディケアとメディケイド2種類しか存在しない。

従って、これらに該当しない一般の人々は、民間の保険会社より医療保険を商品として購入しなければならない。これら民間医療保険は雇用と結び付いた団体保険が多く、従業員及びその家族に適用するのが一般的である。

アメリカの公的扶助

クリントン政権による福祉依存からの転換を図った。

「福祉から就労へ Welfare to Work」政策はそれまでの公的扶助の受給に対して厳しい限度を設けた。とくに、AFDCからTANFへの改革は、非常に大きい影響を与えた。就労可能なものに就労を促す目的であるが、就労支援プログラムによる効果は疑問がもたれている。低賃金の職には就くことができるが、常勤のある程度の所得をもたらす職種に就けるだけの技術をもつことができないため、離職率も高くなっている。

一方で、就労しているもの所得税を支払い、扶養児童もいる世帯には児童と保育税額排除(the Child and Dependent Care Credit)による還付金制度もあるが、この制度は就労していることが前提である。

そして、アメリカでは労働市場の自由化で専門的な職種も派遣雇用が広がり、労働環境は悪化しており、日本の労働者の三分の一は非正規社員となっている。いくら働いても貧困を脱することができない「ワーキング・プア」の人々が増える土壌を改善しなければ、「福祉から就労」を目指しても、効果は非常に小さいものだと思われる。
(AFDC:被扶養児童家庭援助)
(TANF:AFDCに代わるもので、厳しく見直されたもの。)

日米社会保障協定

従来、日本の事務所に勤務する人などが、アメリカにある支店や駐在員事務所などに派遣される場合、両国の社会保障制度(年金・医療保険制度)に二重に加入しなければならないことがあったが、協定により、いずれか一方の社会保障制度のみに加入することになった。協定の対象者は、原則として、その人が就労している国の社会保障のみに加入します。ただし、事務所から一時的(5年以内と見込まれる場合)に協定相手国に派遣される人は引き続き派遣元の国の社会保障制度のみに加入します。

例えば、日本の事務所からアメリカに派遣される人は。原則としてアメリカの社会保障制度のみに加入することになるが、派遣期間が一時的であれば、引き続き日本の社会保障制度のみに加入することになる。



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